つわりと逆子(東洋医学)

妊娠中はただでさえ大きなお腹で苦労しているのに「つわり」や「逆子」、「不正出血」など、色んな症状で悩む方は多いと思います。

今回はこれらを東洋医学の視点からなぜ起こるのかを分かりやすく説明し、どうしたら楽になれるかを紹介していきたいと思います。

具体的な話に入る前に予備知識として覚えておいてほしいのが、東洋医学には「経絡」という目で見えないものが存在します。これは身体の内臓や筋肉、神経系と繋がっていて、エネルギーを補ったり、余分なエネルギーは他所に運んだりするための経路だと考えられています。

その経路が何かの原因で詰まったり、傷ついたりすると、滞り、体に様々な症状を引き起こします。わかりやすく例えるなら、油で詰まったり、冷たくて壊れたり、まるで水道管のようなものですね。

今回はこの「経絡」と具体的な内臓と合わせて説明したいと思います。ちなみに、なぜこの経絡と合わせて説明するのかと言いますと、妊娠中の症状の多くは現在の西洋医学でははっきりと解明されていないんです。

ですが、東洋医学ではそれこそ大昔から理論的に説明されてきていますので、こちらを使って解説します。

つわりの原因とは

妊娠中の女性にとって大事な臓器といえば、そう「子宮」ですよね。子宮は赤ちゃんが育つ部屋としても重要ですが、普段からの月経でも働きがありますので、女性にはチェックが外せない臓器の一つです。

この子宮に血や栄養を送っているのが、「衝脈」という経路となります。妊娠中は特に赤ちゃんへの栄養を運ぶためにもこの衝脈が盛んになって流れが強くなるんですね。なんですが、人間の体の中にも血や栄養素の限りがあります。

ですので、血を多く蓄えている「肝臓」から血を運んでいったり、身体中の栄養分を子宮に集めたりしますので、全体的に体力がなくなっていきます。

そこで、本来なら外から栄養を取るために食欲旺盛になるんですが、元々先天的に胃が弱い方、ストレスによる過敏性腸症候群を患っている方、不安やイライラによる怒りが強い方などの場合、「胃」へのダメージが大きく出てしまいます。

東洋医学的には「胃熱」と言って、それらによって胃に熱を持つことで吐き気が強く出たり、また実際に戻して胃の熱を外に出すことが多くなります。これがよく「つわり」と言われているものの正体です。

また、逆子も赤ちゃんは熱がある方へ頭を向けやすい傾向がありますので、普段血が集まっている為温まっている子宮側へ頭を向けるのですが、つわりがひどい方やイライラによってのぼせていたり、胃から頭の方へ熱を強く持つ方の赤ちゃんは頭を上に向けてしまいがちです。

また、普段から冷え性で足元が冷たい方も逆子になる可能性が高いので、妊娠中はどの時期でも出来るだけ穏やかでいられるように心がける事が大事になってきます。

鍼灸治療は経絡や内臓に栄養を運ぶよう促したり、体の中の熱を下の方へ移動させたり、交感神経から副交感神経へ切り替えることで身体に負担をかけることなく癒していくことが出来ます。

ですが、普段の生活習慣からもつわりや逆子の治癒や予防も出来ます。それは先ほども書いた通り、イライラや不安を避け出来るだけ心を穏やかにしていられる環境にいること、お腹にやさしい食べ物を選ぶこと、熱を下に降ろすように足浴やふくらはぎのオイルマッサージなどを積み重ねていけば、妊娠中の症状を抑える事が出来ます。