自律神経が乱れると、血行が悪くなる

「血行促進」

「ドロドロ血液を改善しよう!」

などの言葉を、病院や街中の健康推進ポスターなどで見かけることがあります。血液の質を高めることが体の健康に繋がるのは、皆さんよくご存じだと思います。

ここでは、専門家の視点から、血液と深い関係を持つ「自律神経」について触れたいと思います。

血液の流れと深く関わる自律神経とは?

 血液の流れや質そのものに大きな影響を与える存在があります。

それが「自律神経」です。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。

太陽が出ている間は「交感神経」が強く働き、心臓や肺などの循環器・呼吸器系の器官が活発に動きます。夜は「副交感神経」が強く働き、胃腸などの消化器系が活発化する。このように2種類の自律神経がそれぞれの担当の臓器・器官を操縦し、バランスを整えているというわけです。

ですが、こうして出来上がる体のリズムは決して完璧とは言えません。その日あった刺激や行動の結果、精神状態によってあっさりとバランスを崩してしまう、案外と脆いものなのです。

自律神経が乱れると、血液にも影響が現れる?

日常生活上のストレスや刺激、あるいは不規則な生活を続けていくことによって自律神経が乱れると、その支配下にある血液もまた影響を受けます。

例えば交感神経が過剰に緊張を起こすと、白血球内の顆粒球が異常増加し、やがて死滅し大量の「活性酸素」を生み出します。活性酸素が良くないのは、血液を酸化させ、ドロドロの血液を作り出す原因となるからです。

ドロドロの血液は血行を鈍らせ、やがては慢性的な低体温を引き起こします。

そうして低体温が長く続くと、めまい・耳鳴り・肩こり・腰痛・頭痛・手足のしびれ・冷え・食欲不振・不眠症といった諸症状に陥りやすくなり、そこから抜け出すことも難しい体になってしまいます。

そしてそれがやがて…

うつ・自律神経失調症へ繋がっていきます。

血液の状態が良くないと器官にも影響を及ぼします。

心身の不調が続き、やがてはうつや自律神経失調症という病気に陥ってしまうのです。

しかしそれは、逆に言えば「血流を良くすることがうつや自律神経の乱れを整えるきっかけになる」とも考えることができます。

血流を良くすることが体を良くする例えとして、幼少期、お腹が痛くなったとき、お腹に手を当ててさすった思い出はありませんか?

患部を温め血流を促す行為が有効であることを、人はちゃんと経験と本能で分かっています。じつは「お腹を温めてさすれば痛くなくなる」と言ったのは単なる気休めではなく、実に理に適った手法なのです。

悪い血流から良い血流へ体を作り変える

低体温などの不調は、自律神経の乱れを私たちに知らせてくれるサインです。

低体温が続いている血液は悪い血流です。ひとたび血流が悪くなれば、血液の中にあるあらゆる栄養素や酸素、水分、または病気に対抗するための白血球や免疫物質、怪我に対処する赤血球などさまざまな要素全てが上手く行き渡らないことになります。

特に白血球には外部からの細菌などの侵入を監視する役目や、入り込んだ細菌から身を守る役割を担っている為、悪い血流のまま放っておくとその役割が果たせなくなってしまいます。

ストレスに負けない免疫力の高い体に戻るためには、まず毎日のお風呂をゆったりとした気分で浸かること、適度な運動をし、体を作る食べ物にも気を配るといった基本的な生活の見直しが必要です。

それらはすべて低体温を改善する一歩です。そしてそれが血液を良くし、自律神経を正常にし、病気に強い体で居続けられることになる、と私たちは考えています。

血液とは?

血液は骨髄で造られています。

川の中に大小さまざまな形をした細胞がぷかぷかと浮かんでいるイメージをしてもらえればと思いますが、その浮かんでいる細胞が「赤血球・白血球・血小板」という3種類の細胞です。

赤血球は肺から全身約60兆個もの細胞へ酸素を供給する、さしずめ「船」のような細胞です。白血球は外的な脅威(細菌やウィルスなど)から守ってくれる「騎士」、血小板は、怪我などで出血したときに修復してくれる「盾」、といったようなもの。血液中の約半分の成分がこれら3つの細胞にあたります。

残りの約半分は川の部分、つまり液体である「血漿(けっしょう)」です。血漿はほとんどが水で、わずか1割ほどの中にタンパク質・糖・脂肪・ビタミンなどが含まれます。

その1割の中の多くを占めるのがタンパク質で、その中にはアルブミン・免疫グロブリン・血液凝固因子といった重要な抗体などが存在します。これらは血漿を血管内に留めたり、ホルモン物質などと結合して運搬したり、ウィルスや細菌・真菌・がん細胞から保護したり、出血を食い止めたりする役目があります。

そして血液はそれ自体、体温を上げたり下げたりする機能も備わっています。血液が流れないと体温は低下しますが、スムーズな流れは適度な温度を保ってくれ、細胞が生き生きと働いてくれる良い体をつくります。

血管の役目と、むくみや湿疹の原因

血液には流れがあります。心臓から押し出され、全身を駆け巡り心臓へと一周する流れです。その行き道に通るのが「動脈」という血管であり、帰り道に通るのが「静脈」という血

管です。

動脈と静脈には外膜・中膜・内膜という三層の膜があり、血液を保護しています。

さらに動脈は、平滑筋という筋肉によって伸縮性・弾力性に優れているのが特徴です。

動脈と静脈は血管の幹のように太いものですが、手足や皮膚直下など末端へ血液を運搬するのはより細い血管、「毛細血管」の役目です。毛細血管は直径5ミリから20ミリほどの非常に細い血管で、その壁は横並び状に内皮細胞というもので形作られています。その隙間から血液と外との栄養補給などが行われていますが、この物質交換(透過性)が行き過ぎると、血管内の水分や血液など不要なものまで血管の外へ流れてしまい、それがむくみや蕁麻疹、湿疹、出血などの要因になることがあります。

健康的な血圧の基準とは?

心臓から押し出された血液が、血管の内壁を押す力のことを「血圧」といいます。心臓が縮まり血液を送り出したときの力を最高血圧、血液を送り出したあと心臓が拡張したときの力を最低血圧と呼びます。

この最高血圧は成人の場合、130~139、最低血圧は85~89が正常値であるとされ、

それを超えると高血圧・低血圧と診断されます。

高血圧の状態というのは、心臓が不要に血液を送り続けようとして、いわば力んでいる状態です。ストレスや自律神経失調症によって交感神経が過剰に働き続けたり、動脈が硬くなることで血流が悪化している状態で起きやすくなります。

ここで注意して頂きたいのは、降圧剤についてです。

高血圧だから降圧剤…は逆に体を苦しめることもあります

高血圧になっている原因は、栄養素が充分に行き渡っていない体に血液を送ろうと心臓が頑張っている場合もあり、特に自律神経の乱れが原因で起きている場合では降圧剤を使うことでそれを妨害してしまうことも考えられます。降圧剤を使用する際は、高血圧になっている原因をきちんと理解してからの方が良いのです。

当院でもそのようにケースで体調を崩して来院される方が多く来院されます。

血液とは、人間の体の全てですー…と言うのはオーバーかもしれませんが、体の細胞一つ一つに栄養や酸素を送り届け、体温を管理し、外敵から身を守り、やっつけてくれるという、そんな血液の役割を考えると、健康の源と言っても過言ではありません。

ちなみに、血液の量を重さで考えると、全体重の約7.7%だそうです。

体重50kgの人なら約3.8kgが血液の量ということになります。

多いでしょうか?少ないでしょうか?

血液が受け持つ役割の重さを考えると、それだけの量で体の隅々までの健康を維持していることに驚かされますね。血行が悪い、高血圧に悩んでいる、むくみや低体温でお悩みの方がいましたら一度セドナ治療院グループにご相談下さい。

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