夏のこむら返り

夏になると夜や明け方に足の筋肉をつってしまう方が多くなります。

「足がつる」とは具体的にどういう状態なのか、対処法、予防方法についてご紹介します。

足の筋肉がつること、とくにふくらはぎの筋肉が痙攣することを「こむら返り」といいます。

医学的にはこむら返りは「有痛性筋痙攣」といって、強い痛みを伴う筋肉の痙攣を指します。

「こむら(腓)」とはふくらはぎを指す言葉です。

ふくらはぎの腓腹筋や平目筋の痙攣が特徴的ですが、この部分に限定したものではありません。

足の裏や全身の筋肉が痙攣することもあり、全身のこむら返りということもあります。

通常筋肉は脳からの命令を受容体が受け取り、これを上手に調整して思った通りに動きます。

この調整が何らかの原因でうまくいかないと筋肉が収縮したままで痙攣状態になり、強い痛みを感じます。

こむら返りには昼間に起こるタイプと、夜間、寝ている最中や明け方に起こるタイプがあります。

昼間型は運動中あるいは運動直後に起こることが多く、ストレッチや準備運動の不足、汗を大量にかいた事による運動中の脱水、筋肉疲労が原因とされています。

夜間、寝ているときにはつま先が伸びてふくらはぎの筋肉が縮んだ状態であることが多く、運動神経が刺激を受けると筋肉を収縮させやすい状態を持続していると言えます。

さらに、寝ている状態では足裏に圧がかかっていない為、筋肉の緊張を調整する機能が働きにくく、ふくらはぎの筋肉の収縮を強めてしまうことがあります。

足をつってしまう原因

・全身や筋肉の脱水

・筋肉の損傷

・血流障害による痛みを引き起こす物質や疲労物質の蓄積

・電解質不足(特にマグネシウム、ビタミンB1)

・代謝異常

・冷え

夏に増える「こむら返り」

夏は特に「夜や明け方に足をつってしまう方」が多くなります。

これは、電解質不足や血流低下が原因で起こっているパターンが多くを占めます。

特に夜も蒸し暑い今の時期は、寝ている間にコップ1杯から2杯の汗をかいていると言われています。

想像して頂くと納得しやすいかと思うのですが、コップ2杯の汗というと約400mlもの水分が寝ている間に失われている、という事になります。

当然ですが寝ている間は水分補給ができない為、身体は軽い脱水傾向になってしまいます。

汗には水分だけでなく、ナトリウムやカリウム、アンモニウム、マグネシウム、カルシウムも含まれますので、これらが体外に排出されてしまうことで身体のイオンバランスが崩れます。

そして、睡眠中は副交感神経優位になり心臓も休んでいる時なので、心拍数も減り血流が少なくなっています。

このような状況で寝返りなどをしてしまうと筋肉の細胞が、脳からの信号をうまく調節できないまま動いてしまう為、過剰な収縮が起こってしまいます。

これが夜中に足をつってしまう原因です。

足がつってしまった時は数秒から数分で痛くなくなることが多いのですが、

少しストレッチして筋肉を伸ばしてあげることで痛みは消えていきます。

そしてさらに、マッサージをしたり、温めてあげることが効果的です。

こむら返りの予防

・規則正しい生活

・バランスの良い食事(特にビタミンB1)

・ふくらはぎのストレッチやマッサージ

・毎日湯船で足を温める

・ミネラルの入った水分の積極的な補給

・ヒールや足が疲れやすい靴を避ける など

特におすすめの予防策は「ミネラルの入った水分の補給」です。

日常生活や入眠前に「硬水」を飲んであげることが有効です。

水には主にマグネシウムとカルシウムイオンが含まれています。

水1000mlに対してマグネシウムとカルシウムイオンが溶けている数値を硬度といい、120mg/L以上を「硬水」といいます。

普段から硬水を飲んでいると、マグネシウムとカルシウムイオンを摂取することができるのでイオンバランスを整えてあげることができます。

ただ、日本の水は「軟水」なので最初は味に違和感を覚えるかもしれません。

いきなり高硬度の硬水にするのではなく、中程度の硬水から飲み始めたり、日常生活は軟水を摂取し、入眠前だけは硬水を摂取する等、続けやすい方法で生活に取り入れてみてください。