睡眠障害と脳疲労の関係
なんだか仕事のモチベーションがあがらない、集中したいと思っているのになかなかやる気が出ない、頑張りたいのにパフォーマンスがあがらない、それらの原因は、実は「睡眠」にあります。
睡眠は、私たちが思っている以上に重要なことなのです。
◇睡眠がもたらす心や身体への影響
睡眠は、私たちが生きるために欠かせないものですが、単に身体を休めるものだけではなく、パフォーマンスにも大きく影響します。
「頑張りすぎ」がパフォーマンスの低下を招く
忙しい現代人は、「もっと頑張らなきゃ」と常に気を張っています。
自分の集中力はさておき、身体にムチを打って、無理矢理奮い立たせている人もいるのではないでしょうか。
しかし、この「頑張りすぎ」は、気力や体力を大きく失う原因となり、結果的にパフォーマンスが下がるという悪循環を招きます。
そんな日々を続けていれば、ある日突然、自分の思い通りに身体が動かせなくなってしまうこともあります。

忙しい現代人に必要なのは、まず、自分が疲れていることを自覚することです。
疲れが慢性化して、自分が疲れていることを忘れてしまっている現代人は思ったよりもたくさんいるのです。
仕事や育児に追われ、睡眠時間が減少すれば、十分な休息がとれません。睡眠リズムが崩れれば、当然、身体のリズムも崩れ、不調に見舞われます。
その不調は、肩こり・腰痛・食欲低下・便秘・下痢・頭痛・顔のけいれんなど、多岐にわたります。
休息が不十分だと刺激に反応しやすくなり、心にも悪影響が出てきます。
イライラが募り、不安にかられ、普段は何とも思わないことに過敏に反応してさらなる悪循環をループします。

◇心の悪影響が質の悪い睡眠を引き起こす
イライラしたり、不満があったり、思考が堂々巡りをしているようなときは、「セロトニン」というホルモンを多く使います。
この「セロトニン」は、別名“幸せホルモン”とも呼ばれるもので、たくさん使うことにより自分の幸福感はどんどん下がっていきます。
そして、この「セロトニン」は、夕方には“睡眠ホルモン”と呼ばれる「メラトニン」に変化します。
「セロトニン」が減少すれば、この「メラトニン」も同時に減少するため、睡眠の質が格段に下がり、生活リズムが崩れてしまいます。

このように、私たちの脳と身体、心は常に連動しています。
悪循環がループし続ければ、最終的にメンタル面にも大きく影響し、うつ病などの病を抱えてしまうこともあります。
◇パフォーマンスを担う3つのネットワーク
自身のパフォーマンスは、3つの脳のネットワークが大きく関わります。
・集中力を司る「セントラルエグゼクティブネットワーク」(CEN)
・ひらめきを司る「デフォルトモードネットワーク」(DMN)
・この2つを調整する「セイリエンスネットワーク」(SN)

「ああでもない、こうでもない」と思考が堂々巡りしてしまう原因は、デフォルトモードネットワークが活性化している証拠です。
このDMNの状態は「セロトニン」を大量に消費しているため、さらに思考力が下がり、睡眠の質を悪くします。
◇脳のパフォーマンスを向上させるには?
それでは、この脳のパフォーマンスを向上させるにはどうしたら良いのでしょうか?
脳のパフォーマンスを向上させるのに最も有効なのは、「睡眠」です。

十分な睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質も重視しましょう。
忙しい現代人はついつい睡眠不足に陥りがちですが、思考をクリアにするためにも、十分な睡眠時間を確保してください。
同時に快眠に必要な「セロトニン」を増やすことも意識すると良いです。
「セロトニン」は、生活のリズムを整え、朝にしっかり朝日を浴びて朝食をとることで増やすことができます。
デフォルトモードネットワークはデメリットも多いですが、一方で、ひらめきを司るはたらきもあります。
ただこのひらめきは、セントラルエグゼクティブネットワークとデフォルトモードネットワークが同時にはたらいているときに生まれるものなので、2つのネットワークのバランスを整えることが大切です。
集中力を使い過ぎていると、セントラルエグゼクティブネットワークがはたらきすぎ、デフォルトモードネットワークが強くはたらきます。
適度にコーヒーブレイクの時間をとりましょう。簡単なストレッチをすることで、より脳も身体も喜びます。
◇大きな仕事は少しずつ計画的に進める
大きな仕事が入ったときは、計画的にスケジューリングして、少しずつ進めることが大切です。
集中して一気に片付けたい気持ちも分かりますが、それだと、仕事の質が落ちてしまいます。
デフォルトモードネットワークのひらめきを動かすためにも、少しずつ計画的に行うことで、効率よく進めることができます。
◇まずは「休むこと」が肝心
仕事を頑張ることはとても大切なことですが、人間は「睡眠」や「休息」があってこそ、頑張ることができます。それらを疎かにしていては、頑張れるものも頑張れなくなります。
頑張りすぎが脳を疲弊させ、モヤモヤが生まれ、パフォーマンスがどんどん低下していきます。
つい頑張りすぎてしまう方は、しっかりと「睡眠」と「休息」を意識してパフォーマンスの向上を図りましょう。
私たちは、その睡眠の質を向上させることを第一に考えています。
当然、肩こり・腰痛・頭痛などの不快感をなくすことも重要ですが、しっかり眠れるように身体を整えています。
「寝ても覚めても身体が疲れている」と感じる方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。

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