呼吸の重要性

起きている時も眠っている時も生まれてから一度も休まず続けている「呼吸」。

無意識に行っていることが多く、普段はあまり意識することはないかもしれません。

しかし、「呼吸」の大切さにきちんと目を向けて、一回一回の「呼吸」の質を高めることで、私たちの体や脳、心の状態に良い変化をもたらすことができます。

質のいい呼吸とは?

普段何の気なしにしている呼吸によって、私たちの体が必要としている酸素が取り込まれます。

そしてエネルギーを作り出す為に使われると、今度は二酸化炭素となって排出されます。

ヒトや動物は生命エネルギーを身体の中で生成する為に呼吸が必要不可欠です。

「質のいい呼吸」とは、体に必要な酸素をできるだけ多く取り込める呼吸の事だと言えます。

そして、そのためには浅くなってしまっている呼吸を深い呼吸に変えることが重要になってきます。

特に今は感染症対策で長時間マスクを着けているため、通常時よりも呼吸が浅くなりやすい状態です。

深い呼吸をすることによって、酸素をたくさん取り込むことができるようになると、体は健康になり、頭はスッキリして、心はポジティブになっていきます。

質のいい呼吸がもたらす効果

1.健康な体を作ってくれる

食事によって取り込まれた栄養は、呼吸で取り込まれた酸素によってエネルギーに変えられます。

ですので、栄養のある食事と深い呼吸による「質のいい呼吸」をすることで、健康な体作りができるようになります。

また、深い呼吸をすると、血行がよくなり、肩こりや頭痛・冷えの改善、美肌等の効果も期待できます。

2.思考力が高くなる。

私たちの体の中で最も多く酸素を必要としている部分は「脳」だと言われています。

しかし、食事をした後は、消化のために胃や腸に酸素が多く使われてしまう為、脳の働きが悪くなったり、眠気を覚える事があります。

深い呼吸による「質のいい呼吸」をすると、酸素がたくさん取り込まれるようになるので、食後のように他の臓器が多くの酸素を必要としている時でも、脳にも酸素が充分に行き渡るようになり、頭の働きが良くなり、集中力が高い状態を維持できます。

3.気持ちがポジティブになる。

酸素を多く体に取り込むことが出来るとα波が多く分泌されます。

このα波は「幸せホルモン」と言われる「セロトニン」の分泌を盛んにしてくれます。

セロトニンは、精神の安定や睡眠に深く関わっている神経伝達物質で、気持ちをポジティブにしてくれる作用もあります。

また、セロトニンが多く分泌されると、セロトニンを材料にして作られる睡眠ホルモンの「メラトニン」が多くつくられるようになるので、良い睡眠につながります。

腹式呼吸

質のいい呼吸の為に実践したいのが「腹式呼吸」です。

「腹式」というと、お腹の中に空気を取り込むイメージを持ってしまいますが、実際に空気が入る場所は肺になります。

上手に複式呼吸をするポイントは「横隔膜」です。

横隔膜とは、肋骨の5番、6番あたりに位置し、空気を吸う時に使われる大切な筋肉です。

ドーム状に横たわる形をして、吸った時に横隔膜は収縮して、ぐっと下がります。

この時に内蔵が下に押されてお腹が膨らんだように見えます。

そして、その時にできた胸郭というスペースには「肺」があって、そこに吸った空気が入ります。次に息を吐く時は同時に横隔膜がまた上に上がり、内蔵がまた元の位置に戻るので、お腹が引込むような動きをします。

ですので、腹式呼吸はその横隔膜の上下運動が大切になってきます。

心も体もリラックスできるまでが「腹式呼吸」を行う時間を毎日のルーティンに組み込むのがベストです。

少しの時間でもいいので、毎日コツコツと続けていくと、身体に大きな変化が生まれます。

時間がなかなかとれない方でも、お布団に入った後、寝る前の5分間だけでも時間をとってみるようにしてみましょう。