アロマテラピーと自律神経③

エッセンシャルオイルの成分と働き

アロマテラピーに使われるエッセンシャルオイル(精油)には、さまざまな働きをする成分があります。

エッセンシャルオイル(精油)は、植物の花、葉、実、茎、根、樹皮などから抽出した「香りの成分」です。

「香りの成分」は天然の有機化合物の集まりで、1種類のエッセンシャルオイルの中には通常、数十〜数百以上もの有機化合物が含まれています。

それらが化学反応を起こし、さまざまな作用と香りを生んでいるのです。

エッセンシャルオイル(精油)に含まれる成分と作用には、大きく分けると次のようなものがあります。

・テルペン類・・・・消毒作用、鎮痛、抗炎症作用

・アルコール類・・・殺菌、加温作用

・フェノール類・・・殺菌作用(刺激を含む)

・アルデヒド類・・・鎮静作用(刺激を含む)

・エステル類・・・・鎮静作用、抗炎症作用

・ラクトン類・・・・粘膜溶解作用、脂肪溶解作用(刺激を含む)

これらの成分たちの複雑な組み合わせがさまざまな作用を作り、アロマテラピーの効果を生み出しています。

アロマテラピーの作用と自律神経

アロマテラピーの作用の中で、自律神経のバランスを整える為に有効な作用には次のようなものがあります。

・安眠作用 ・・・安らかな眠りを促す

・緩和作用 ・・・心身の緊張の緩和

・血圧降下作用 ・・・血圧を下げる

・抗鬱作用 ・・・憂鬱な気分をなくす

・神経バランス作用 ・・・神経のバランスをとる

・鎮静作用 ・・・神経系を休める

・免疫賦活作用 ・・・免疫機能を活性化する

これらの作用のある精油を活用することで、自律神経のセルフケアができるのです。

それでは、それぞれの作用を含む主な精油を紹介していきます。

・安眠作用:オレンジ・クラリセージ・フランキンセンス・ベルガモット・マンダリン・ラベンダー等

・緩和作用:イモーテル・カモミール・月桃・ホーリーフ(ウッド)・マジョラム・メリッサ等

・血圧降下作用:イランイラン・ウインターグリーン・ネロリ・マジョラム・ラベンダー等

・抗鬱作用:イランイラン・ネロリ・プチグレイン・フランキンセンス・メリッサ・ラベンダー・ローズマリー(ベルべノン)等

・神経バランス作用:イランイラン・ネロリ・ベルガモット・マジョラム等

・鎮静作用:アンゼリカ・イランイラン・オレンジ・サンダルウッド・ジャスミン・フランキンセンス・ベンゾイン・マジョラム・マンダリン・メリッサ・ラベンダー・ローズウッド等

・免疫賦活作用:ニアウリ・パルマローザ・フランキンセンス・マジョラム・ラベンダー・ローズウッド等

参考:https://www.aromakankyo.or.jp/basics/literature/

まずは上記の作用の欄から、自分が自律神経のバランスを崩したときにどんな不調が出るかを選び、その中から好みの香りを選ぶのが、オススメの精油の選び方です。

大切なのは自分に合った精油を使う事です。

その為には、場合によってはプロの知識を借りる事も借りる事も必要になります。

自分に合った精油を選ぶ

以前、私が精油の販売業をしていた時の貴重なケースのお客様の話を紹介させていただきます。

その方が欲しがっていたのは「集中したい時に使う精油」でした。

通常でしたら「覚醒作用」や「神経刺激作用」のある精油が該当しますので、その時の私は迷わずカユプテやシナモン、ミントやローズマリーをお勧めしたのですが、その方は「なんかチカチカする感じ」と言ってお気に召しませんでした。

そこでその方を観察しているとあることに気が付きました。

その方は少し落ち着きがなく、動きもソワソワして常に視線がキョロキョロと彷徨っているような感じでした。

もしかしたら…と思い、ラベンダーをお勧めしたところ、その方は「これいいわね!落ち着いて集中できそう」と気に入ってくださいました。

実は、この方は常に「交感神経過剰」になってしまっていて、通常であれば脳が「無意識下」に分類するような音やモノ全てに過剰に反応してしまい、そのせいで目の前のひとつのことに集中できずに悩んでいたのです。

その為、過剰になってしまっている交感神経を通常レベルまで鎮めてあげることで、今まで多方面に分散されていた意識を一つのことに“落ち着いて集中する”ことができるようになったのです。

もしその方が販売員に相談せずに自分で精油を選んでいたら…、もしその時の私がお客様の様子に気が付かなかったら…。

もしかしたら「集中するための精油」で“さらに集中できない状態”になっていたかもしれません。

精油に効果があるからこそ、自分に合った香りを選ぶことはとても重要になります。

皆さんもセドナ整骨院でお求めになる際は是非スタッフにお声掛けください。

お一人お一人に合った精油を責任もって選ばせていただきます。

精油の活用方法

では、自分に合う精油が解ったら早速日常に取り入れましょう。

精油の活用方法は次のような方法がオススメです。

・芳香浴:アロマランプやディフューザーを使って空間に香りを広げる方法です。

・沐浴法:お風呂に精油を入れて嗅覚と皮膚から精油を取り入れる方法です。

 ただし、入浴中は血行が良くなって毛穴も開き、精油成分の刺激を受けやすいので柑橘系の精油や刺激作用のある精油はお勧めできません。

 刺激作用のない精油でも5適程度をお風呂に入れるようにしましょう。

・トリートメント法:精油を植物油で薄めて肌に塗る方法で、一番効率よく精油の成分を身体に取り込めます。

自分でブレンドする際はまず1%濃度のオイル(植物油5mlに対して精油1滴)を作り、その後身体や皮膚の様子を見て濃度を調整しましょう。(上限濃度4%程度)

また、ロールオン等の小さなボトルに精油を薄めたオイルを作り、ストレスを感じた時や症状が出たときに患部やコメカミ、手首にオイルを塗って嗅ぐのもお勧めです。

作用や効果別にすでにブレンドされて販売しているものも多くありますので、自分でブレンドするのは難しいかも…という方はそちらを活用するのもお勧めです。

セドナ整骨院グループでも取り扱っていますので、気になる方は是非スタッフにお声掛けください。

グラフ

自動的に生成された説明

春先から梅雨に時期にかけては自律神経のバランスを崩してしまう方が多い季節です。

そして今年も「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」の流行が自律神経に大きな影響を与えています。

連日の報道、そして正解かどうかわからない情報があふれる中で、正しい情報を見極める事は不可能に近い状況です。

人は漠然とした恐怖や目に見えないもの、予測できない未来に恐れを覚えます。

そして恐怖=「ストレス」となり、自律神経のバランスを崩してしまう方が例年よりも多くなってしまっているのです。

勿論、ただ恐れなければいい、という問題ではありません。

新型コロナウイルス感染症への対策も行いながら、自律神経のバランスを整え、自分自身のお身体を大事にし、今こそ「真の健康づくり」を実践していきましょう。