自律神経乱れによる不調
自分はパニック障害かも?と感じたことのある方へ―
パニック障害、全般性不安障害、社会恐怖、単一恐怖、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)…。
ここに挙げた病名は、どれも不安障害の一種です。
不安障害という言い方は、専門的な用語なのであまり馴染みがない言葉かもしれません。普通に暮らしていて感じる一般的な不安とは異なる、病的な不安状態のことや、それに伴って起こる症状・兆候のことをいいます。(アメリカ精神医学会がまとめた精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-Ⅳ)に詳しく記載されています。)
では、「病的な」不安とは、普通の不安とどう異なるのでしょうか?
まず普通の不安について考えてみましょう。
ドイツの精神医学者シュナイダーは、不安という感情についてこういいました。
「動機のない不安は、人間が生きていく上での根源的な感情である。そして、その基本的な要因は、罪の意識・生命の維持・健康に対する危機感・経済的な危機感である。」
つまり、この基本的な要因があるとき、人は自分自身では意識していなくとも、不安を感じるようにできている、というわけです。
もうすこし具体的にお話すると、例えば生命や名誉、家族、財産、社会的地位など、その人にとって価値あるものが何者かによって脅かされたと感じたとき。
もしくは、何か大切なものが脅かされたと感じる具体的な瞬間のとき。
またあるいは、原因が特定できない、いわば漠然とした動機のない、身の置き所のないような感情を持つときも、そこには私たち人類の根本的な感情として、不安が存在していると考えられます。
また、不安という言葉の定義によれば、
不安=「安心できないこと、心もとないこと、心配」とあります。
不安は、私たちが生きていく上で誰もが経験する、心の作用です。
私たちが好ましくない結果を予感して、落ち着かなくなる、気がかりな状態になるとき、それを不安と言い表しています。
こういうことから考えるに、不安とは、人間が生き続けるために、また、ただ生きるだけではなく、肉体的にも精神的にも向上していくためになくてはならないものである、と結論することができます。
そしてその不安が起こる「元」は、人間が肉体的、または精神的に危険な状況に置かれたときに起こる、とても自然な感情だということができます。
これらが、いわゆる普通の不安です。
普通の不安というものが、一般的に誰もが経験するものであり、他人が理解してあげることもでき、自分でも原因が特定でき得るものである一方、病的な不安とは、不安そのものに憑りつかれた状態と考えてみてください。
両者を比較してみましょう。
【普通の(正常な)不安】
理由は自分で分かっていることが多い
他人に説明できるし、理解してもらえる
長く続かない
苦痛があっても耐えられる
普通に生活でき、生活習慣の変化もない
消失すれば忘れてしまう
【病的な不安】
理由がつかめないことが多い
他人に説明しにくく、理解されない
長く続く
苦痛が大きくて我慢できない
普通に生活できず、生活習慣が変化する
また起こるのではないかという不安がある
病的な不安で特徴的な部分は、繰り返し起こることと、程度が大きく、過剰であることでしょう。そのため、日常生活に支障が出るケースも少なくありません。
さて、国家資格を持つ自律神経失調症に詳しい鍼灸師としての知見から見ると、こうした病的な不安は、過剰に働いている自律神経の交感神経を落ち着かせ、整えていくことで改善することが可能です。
今、もしあなたがめまいや耳鳴り・食欲不振・動悸・息切れ・不眠といった症状を感じているのなら、交感神経の過剰働きによって自律神経失調症の状態に進行しているおそれもあります。しかし、そうした症状も、当院の治療法で快方へ導いていけるでしょう。誰にも理解されないからといって、心にしまい込んでいる不安感についても、当院では丁寧なカウンセリングを行っておりますので、まずはお気軽にご相談してみてください。
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