めまい

「季節の変わり目は体調を崩しやすい」と昔から言われています。

猛暑の夏から急に涼しくなる秋にかけて、特に増える症状が「めまい」です。

なぜ近年、秋にめまいで悩む方が増えているのでしょうか。

めまいの原因には、姿勢のバランスを保つ三半規管(さんはんきかん)や耳、脳、血圧などの異常によるものが挙げられます。

これらの異常は病院で検査することで原因を特定していくことが可能ですが、検査ではわからないのが「自律神経の乱れ」によるものです。

秋に出現するめまいの多くは、自律神経のバランスが崩れるために起こるものがほとんどです。

秋は、急激な気温や気圧の変化に加え、日内の気温差が大きいことから自律神経のバランスを乱しやすいのです。

また近年では「秋バテ」という言葉が生まれる程、様々な症状で苦しんでいる人が増えています。

これらの症状が現れる背景には、真夏の猛暑で最高気温が年々上がっていることや、冷房の使い過ぎにより体が冷えてしまっていることなどがあるようです。

めまいの種類

めまいには大きく分けて2種類あります。

よく、めまいを起こしたとき「ぐるぐる回る」と表現することが多いと思います。

これは『回転性めまい』です。

一方で、「めまいではないけど、頭がふわっとする」と表現する人もいます。

実はこの“ふわふわ”するのもめまいの一種で、『動揺性めまい』と言います。

この二つのめまいの種類の違いは、発生部位の違いによるものです。

回転性めまいは内耳、つまり三半規管や耳石器という“平衡感覚”をつかさどる場所に障害が出ることで起こります。

動揺性めまいは、内耳の平衡感覚をコントロールする脳(脳幹や小脳など)の障害が原因で起こります。

脳幹は自律神経をつかさどる器官でもあります。

この場合の脳の障害といっても機能が若干低下している程度なので、脳神経外科などで検査をしても特に異常が見つからないといわれる場合が多いです。

とはいえ、自然に治るだろうと放っておくのではなく原因が内耳にあるのか脳にあるのかは検査して調べる必要があります。

めまいの原因

めまいの原因として圧倒的に多いのが、自律神経失調症によるものです。また、めまいを発症するものとして、精神的なもの(心因性)が多くあります。

うつ病・うつ状態・パニック障害・不安障害などでもめまいを発症するのですが、これらの起因となるものが、ストレスや自律神経の乱れによるものなのです。

めまいでもっとも有名なメニエール病も、やはり自律神経の乱れにより内耳のリンパ液が増えて発症するのです。

その他多いのが循環障害です。

肺から脳へと向かう血流が左右に分かれて首を通っていくのですが、高血圧や低血圧などにより血圧に左右差が生じると、めまいを発症します。この血流を調節しているのが、自律神経の一つである交感神経なのです。

つまり、自律神経の乱れによって交感神経の働きが狂うと、その血流も乱れてしまう訳です。

そしてめまいがおこってしまいます。

ふわふわしためまい(動揺性めまい)は、内耳からの信号を受ける脳、特に奥の奥、脳幹と呼ばれる部分での障害の場合が多くなります。そして、この脳幹こそ自律神経を司る場所になるので、自律神経が乱れた場合、その影響を受けない訳がありません。

ストレスや睡眠不足、過度の疲労により自律神経が乱れ、自律神経失調症になり、めまいを引き起こしますので注意したいところですね。

めまいを防ぐための生活習慣

・規則正しい生活を心がけ、質のよい睡眠をとる

・過労、過度のストレスを避ける

・適度な運動やストレッチを習慣化させる

・禁煙(たばこは血管収縮を促進させ、血流を悪くする)

・塩分や水分の過度の摂取を控える※メニエール症に対する予防(塩分を多くとると水分も多く取るので、内リンパ液の量が増えるため)

・楽しい生活をし、リラックスを心がける

全部変えることはそれぞれの生活スタイルがあるので難しいかもしれませんが、小さな事でも少しずつ意識してみてください。

少しの意識の積み重ねで、めまいを予防しましょう!

前の記事

月経前症候群(PMS)

次の記事

自律神経乱れによる不調