夏の気温差による体調不良 〜中医学の視点から〜
夏の特徴と「暑邪(しょじゃ)」「湿邪(しつじゃ)」
中医学では、夏に多く見られる外的な邪気(病因)を「暑邪(しょじゃ)」と呼びます。
暑邪は熱性で上昇性があり、体内の「気(エネルギー)」や「津液(体液)」を傷つけ、脱水や発汗過多、イライラ、熱中症などを引き起こします。
また、日本の夏は湿度が高いため、「湿邪(しつじゃ)」も合わさって影響を及ぼします。
湿邪は重くて粘る性質があり、体の中に停滞すると、だるさ、むくみ、食欲不振、下痢などを引き起こします。

「冷房」による冷え=「寒邪(かんじゃ)」の侵入
暑い屋外から急に冷房の効いた室内に入ると、身体は急激な冷えにさらされます。
この冷えは中医学で「寒邪(かんじゃ)」と呼ばれ、体の「陽気(体を温めるエネルギー)」を損ない、気の流れを滞らせます。
特に冷気は足元やお腹、背中、肩にたまりやすく、以下のような不調を招きます。
- お腹の冷え、下痢、腹痛
- 肩こり、頭痛
- 月経痛や生理不順(女性)
- 手足の冷え、だるさ
- 自律神経の乱れ(不眠、動悸、めまい など)

このように、「夏に冷えで体調を崩す」という矛盾した現象が起こるのです。これが夏の気温差による体調不良の本質です。
なぜ気温差に弱くなるのか?中医学的な解釈
中医学では、外邪(風・寒・暑・湿など)から体を守る力を「衛気」と呼びます。
衛気は皮膚や筋肉の表層を巡っており、体温を調節したり、邪気の侵入を防ぐ働きをしています。
しかし以下のような状態になると、衛気が弱まり、気温差の影響を強く受けてしまいます。
- 過労や睡眠不足で「気虚(ききょ)」の状態
- 冷たいもの・甘いものの摂りすぎで「脾(ひ)」が弱っている
- 汗をかきすぎて「気」や「津液」が消耗している
つまり、夏は体力(気)が消耗しやすく、衛気も弱りやすいため、冷房や気温差による「寒邪」が侵入しやすくなってしまうのです。
夏の気温差対策!中医学的な養生法
① 衣服の調節で「冷え」から身を守る
- 室内では羽織もの、レッグウォーマー、腹巻きなどで対策
- 特にお腹・腰・足首は冷えやすく、冷えると内臓の働きが弱ります
- 女性は「子宮」が冷えに弱いため、夏でも「冷え対策」は大切です

② 冷たいものはほどほどに
- 氷水、アイス、生野菜の摂りすぎは「脾胃(ひい)」を傷め、気血の生成を妨げます
- 冷たいものを摂った後は、温かいスープや生姜茶などで中和しましょう

③ 汗のかきすぎに注意
- 汗は「津液」であり、出しすぎると「気」も一緒に失われます
- 汗をかいたら早めにタオルで拭き、着替えることで「風邪(ふうじゃ)」の侵入を防ぎます

④ 身体を整えるおすすめ食材
- 陽気を補う:山芋、かぼちゃ、鶏肉、棗(なつめ)
- 暑邪を冷ます:きゅうり
- 湿邪を排出:とうもろこし、豆類、陳皮お茶(みかんの皮)

⑤ ツボケアで体調管理
- 足三里(あしさんり):胃腸を整え、気を補う
- 三陰交(さんいんこう):冷え・むくみ・ホルモンバランスの調整
- 関元(かんげん):陽気を補い、元気をつける


お灸や温灸、手での軽いマッサージでも十分効果がありますので自宅ケアしてみてください!
まとめ
夏の気温差は、単なる「暑さと寒さ」ではなく、「身体のバリア(衛気)」を試す大きな試練です。
中医学では、夏でも「冷え」が体調不良の原因になり得ることを重視し、バランスを保つ生活を大切にしています。
現代の生活は便利ですが、自然の流れとズレた部分も多くあります。クーラー、冷たい食べ物、ストレス、睡眠不足…。
これらが重なると、夏であっても体の芯は冷えてしまいます。
- 「夏でも冷やさない」こと
- 「気温差に負けない体づくり」を意識すること
これこそが、夏の健康管理において最も大切な養生法です。
気学の視点:その年・自分に合った環境が体調に影響
九星気学では、「気温差」や「冷え」による体調の変化も、その年の「年盤の運気」や「本命星(自分の気質)」が関係すると考えます。
例えば・・・
- 一白水星の年や月:水の気が強くなり、「冷え」「湿気」の影響を受けやすくなります。胃腸や泌尿器、腎系統に注意が必要。
- 六白金星の年や月:冷気や乾燥、エアコンなど「金」の象意が強くなるため、呼吸器、皮膚、自律神経の不調が出やすくなります。
- 自分が中宮(中心)に回座する年:環境変化に振り回されやすく、特に気温や気圧差で体調を崩しやすい傾向があります。
また、凶方位への旅行や引越しをした場合にも、「気の流れ」が乱れ、冷えや不調が長引くことがあります。
気学ではこのような現象を「気枯れ」「気滞」といい、体のエネルギーがうまく循環しない状態と捉えます。
梅雨時期に毎年体調を崩しやすい方は是非1度当院にご来院ください!
梅雨時期も元気に過ごせるように自分自身のケアを行いましょう!

047-704-8850
〒279-0002 千葉県浦安市北栄1-12-7
(近くにパーキング有・浦安駅徒歩1分)
午前 | 午後 | |
---|---|---|
平日 | 10:00~13:00 | 15:00~20:00 |
土曜 | 9:00~13:00 | 15:00~19:00 |
日曜 | 9:00~13:00 | × |
【定休日】木曜・祝日 【最終受付】診療終了の1時間前まで
投稿者プロフィール
最新の投稿
お知らせ2025.05.302025年6月スケジュール
ブログ2025.05.21夏の気温差による体調不良 〜中医学の視点から〜
ブログ2025.05.02🌿リフレッシュキャンペーン開催中🌿
お知らせ2025.05.022025年5月スケジュール