その症状、気象病かも?
最近多くの患者さんが来院して下さり、一番多い質問が気圧や湿度の変化が大きく、不調に悩まされるという質問です。
特に多いのは、女性の片頭痛と身体の疲労感です。
片頭痛はホルモンバランスが大きく関係するため、月経周期でホルモンの分泌量が増減する女性の方が多いという特徴があります。
ただ、男性に片頭痛がないというわけではなく、寝不足やストレス、強い光や大きな音、苦手なにおいなども誘因となります。
片頭痛は、偏頭痛と表記されることもあります。
「片側」に「偏って」、目~こめかみにズキズキと脈打つような痛みが出ます。
例えるなら、酔っ払っている時に階段をダッシュした時のような痛みです。
この不快な症状は、3日ほど続くこともあり、痛みが強く、吐き気や嘔吐、起き上がれなくなる人もいます。
見た目には出ないので、他人にも分かってもらいにくく、辛い疾患の1つです。
◎低気圧と湿度の関係性
脳の一部が気圧が低くなったことを感知すると、交感神経が活性化します。
このことにより、敏感になり、痛みを感じる神経も刺激されやすく、症状が出るのです。
また、低気圧になると空気中の酸素濃度が低下するため、私たちに流れる血液中の酸素も薄くなります。
身体はそれに順応するため、血管を膨らませて酸素を行き渡らせようとしますが、この血管の膨張によっても、痛みを感じやすくなります。
また、湿度も大きく関連します。湿度が高いと、汗が蒸発しにくく、体内に熱が残ってしまい、サウナのようになってしまいます。
低気圧と同じように血管が膨張し、痛みを感じる神経を刺激するので、頭痛に繋がります。
近年、頭痛と低気圧、湿度が大きく関連するということが判明していますが、この内、湿度の方が片頭痛を悪化させる要因になることが研究によって分かっています。
そして、気圧や湿度の変化による疾患は頭痛以外の不快な症状も含め、「気象病」と呼んでいます。
◎気象病の症状
雨の日は体調が悪いなど、天気と体調の関わりを感じたことのある人も多いと思います。
実際、気象と不調の関連性については、古くから注目され、研究が進められてきました。
1963年、アメリカにて以下のような研究が行われました。
研究内容は、関節痛のある被験者を集め、人工気象室内に15日間滞在してもらい、気圧の変化・湿度の上昇による影響がどのくらいあるかというものです。
研究結果として面白いのは、低気圧の時、高湿度の時、それぞれ単独では症状に差が出なかったものの、低気圧・高湿度の条件が揃うと、関節痛の痛みが強くなったことです。
つまり、低気圧かつ高湿度の時に不調が生まれやすいということになります。
では具体的にどんな不調があるのかというと、
・関節リウマチ
・変形性膝関節症
・肩こり、首こり、腰痛
・線維筋痛症
・緊張型頭痛
・片頭痛
など多岐にわたります。
また、元々抑うつの症状がある方、めまい、ぜんそく、倦怠感がある方なども、気象の影響で症状が悪化することがあります。
どうしても自律神経が乱れやすい時期となりますので、6~10月くらいまでは、不定愁訴に悩まれ来院される患者さまも増えます。
また、悪天候の日だけでなく、その前後から症状が出ることもあるため、「雨が降るかも?」と体調の変化から天気を予測できる人もいます。
◎口腔内の疾患との関連性
岡山大学の研究によると、歯周病患者は低気圧や気温の上昇、湿度の上昇などによって、歯周病の症状が悪化することが判明しました。
これは、気象の変化が自律神経を介して、口の中に住む細菌叢と呼ばれる細菌たちに影響を与え、歯周病菌を優位にさせることで、悪化に至ることが原因と考えられています。
元々口の中にはたくさんの細菌が住んでいるので、普段から口腔内の環境を整えておくことも非常に大切です。
◎かゆみとの関連性
気象病は、その人が元々持っている症状を悪化させるため、かゆみとも大きな関係があります。
◎気象病になる理由
天気の変化に対して、身体が上手く適応できなくなり、症状が生じるのが気象病です。
何故、気象病になるのかについては、”自律神経”が大きなカギを握ります。
私たちの身体は、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスによって、恒常性が保たれています。
この内、交感神経は主に日中にはたらくもので、身体を活動的にしてくれます。
逆に副交感神経は主に夜間にはたらくもので、身体をリラックスさせるものです。
私たちは、この2つのバランスを上手く取り合いながら生活しているわけですが、何らかの影響によってバランスが崩れると、天気の変化に敏感に反応しやすい身体となります。
また、低気圧、高湿度が身体にとってストレスになり、自律神経を乱すことも分かっています。
近年の日本の気候は、変動が大きくなってきているため、低気圧や高湿度にもなりやすくなっています。
実際、気象病で悩まされる患者さまの数は増えていることも実感しています。
◎気圧と自律神経の関係
気圧の変化というのはなかなか自分で気付けないものです。
では、具体的に私たちは何で気圧の変化を感じているのかというと、それは、「内耳」(ないじ)という耳にある器官です。
目には見えないけれど、耳では気圧を感じ取ることができ、それが気象病に繋がっています。
内耳は、気圧の変化を感知すると、交感神経を優位にはたらかせ、その変化に合わせようとします。
自律神経が整っている人であれば、今度は副交感神経をはたらかせ、バランスを保つところですが、乱れている人だとそうはいきません。
これが、自律神経のバランスの乱れです。
睡眠不足が続いていたり、疲れていたり、ストレスが溜まっていたりすると、より自律神経が乱れ、悪循環になってしまうのです。
◎自律神経とは?
自律神経は、私たちの生命を担うといっても過言ではないほど、重要な神経です。
先程、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があるとお伝えしました。
・興奮している時や緊張している時に優位になるのが、交感神経
・リラックスしている時や眠っている時に優位になるのが、副交感神経
全く真逆の作用がある2つの神経のバランスを保つことで、私たちは生活ができているのです。
例えば、「緊張」を感じている時は心臓が高鳴りますが、こういった時は逆に副交感神経が働いて、落ち着かせようとします。
気象病研究者・医学博士である舟久保恵美先生は、このはたらきを”シーソー”のようだと表現しています。
私たちの身体は、無意識下で生命を維持しようと、外のさまざまな環境の変化に対応して、内側の環境を一定にしようとするのです。
私たちは、暑くなると汗が勝手に出ます。逆に寒くなると、ブルブル震えます。
これも、自律神経のはたらきで、医学的には恒常性、ホメオスタシスと呼んでいます。
◎まとめ
交感神経が優位になりすぎると、痛みを感じる神経が過敏になり、頭痛などの痛みを強めます。
逆に副交感神経が優位になりすぎると、日中なのに眠気がピークになったり、1日中倦怠感が取れなかったりもします。
低気圧や高湿度などの気象の変化は自分ではどうにもなりませんが、自分の自律神経は自身で整えることができます。
是非、気象病でお悩みの方は是非1度ご相談ください。
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