太ももの痺れ”坐骨神経痛”かも?

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて走る「坐骨神経」がさまざまな理由で圧迫されたり、骨に刺激を受けることで起こる、痛みしびれといった症状をいいます。

一般的には、腰痛が始まった後に発生し、次にはお尻や太ももの裏側ふくらはぎ足の先までに痛みやしびれが広がります。

坐骨神経は、私たちの親指ほどの太さがあり、脊髄のL4-SIに由来しています。

この神経は、大坐骨孔から大腿の後ろを通り足の裏まで続きます。

特に坐骨神経は、大腿後面の筋肉を動かす役割がありますが、単独で動かすのは大内転筋という筋肉だけです。また、大腿後面の感覚を担当しています。

膝の裏でこの神経は、脛骨神経と総腓骨に分かれて、下腿部の筋肉の動きや感覚下腿の筋肉の動きや感覚を司ります。

坐骨神経はこの脛骨神経と総腓骨神経の両方の要素を含んでいる為、膝を曲げる筋肉は大腿二頭筋長頭が「脛骨神経」、大腿二頭筋短が「総腓骨神経」という神経を使っています。

<原因>

若年層の場合は、腰椎椎間板ヘルニアが引き金になっていることが多く、高齢者の場合は、腰部脊柱管狭窄症が原因となるケースが多いです。

どちらも、腰椎と呼ばれる背骨の下の方の異常によって神経根が圧迫され、下半身に痛みやしびれが出ます。

◎腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

腰部脊柱管狭窄症とは、名前の通り、腰にある”脊柱管”と呼ばれる部位が狭まり、神経が圧迫されていることで、50代以降の方に多い症状です。

私たちの背骨はただ、身体を支えるだけではなく、脳から背骨に通っている神経(脊髄)を守るためのものでもあります。

この神経の走っている背骨の空間を”脊柱管”といいます。

主に老化などでこの部分が狭くなると、神経根や馬尾(ばび)と呼ばれる部分が圧迫され、痛みやしびれが出る他、感覚麻痺間欠跛行(かんけつはこう)と呼ばれる歩行障害が出ることもあります。

◎坐骨神経痛について

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)は、腰部の疾患の追随症状としてよくあるもので、一般的にも知られる疾患名の1つです。

生活に支障をきたすこともあるこの症状ですが、回復のためにも、正しい知識を得ることが重要です。

まず、坐骨神経痛は何となく聞いたことがあっても、その神経そのものは「よくわからない」という患者さまがほとんどです。

病院等ではよく「○番目の神経が」とか「○番と○番の間が」と表現されますが、基本的には、腰椎の4番目、5番目仙骨の1~3番目から出ている大きな神経を”坐骨神経”と呼びます。

この部分に圧迫や伸張などの原因があると、痛みやしびれ、感覚の以上などが出て、「坐骨神経痛」と診断されます。

主な原因は以下の3つです。

① 根性・椎性の坐骨神経痛

このタイプの坐骨神経痛は、神経の根本部分や夜間(腰の骨)が圧迫を受けているときに起こります。

「椎間板ヘルニア」「脊柱管狭窄症」の方に多いタイプです。

ヘルニアは若年層にも多い原因で、脊柱管狭窄症は高齢層にもよくみられます。

まれに、脊髄や骨盤内の腫瘍といった放置すると深刻な状態になることもあるため、治療はとても大切です。

これらはレントゲンやCTなどで確認できますが、手に触れて見るだけでもある程度は症状を捉えることができますので、足にしびれを感じたら、すぐに病院で診てもらうことをおすすめします。

あなたがもし整形外科に行って、「骨には異常が見られません」といわれた経験があるなら、それは神経が原因で痛みが起きている可能性があるということです。

以下の2つのタイプがそれに当たります。

② 梨状筋症候群

梨状筋症候群というのは、骨盤から大腿骨(鍋の骨)につながっていて、主に股関節を外側に向けて動きをする筋肉のことを指します。

一般的には、この梨状筋の後ろ側に坐骨神経が通っています。(まれに、筋肉と筋肉の間に坐骨神経が通っている方もいらっしゃいます。)

股関節周りの負担が大きい方、例えば、ずっと同じ姿勢でパソコン作業をしている方などは、この梨状筋が固くなることで坐骨神経に影響が出ます。

実は、近年はこの②に当てはまるタイプの方が増えています。

ヘルニアよりも多くなっているので、必ずしも、ヘルニア持ちの方でもヘルニアが原因とは限りません。

ヘルニアの治療をしたのになかなか足の痛みやしびれがとれない、再発したと感じている方は、もしかしたら、このお尻の筋肉に原因があるのかもしれません。

③ 仙腸関節障害

仙腸関節とは、背骨の1番下の仙骨と呼ばれる部分と骨盤の一部である腸骨とで関節ができている部分を指します。

人間の上半身と下半身を繋ぐ、重要な関節です。

人間の身体を支える強い力が必要になるため、通常は靭帯や筋肉で固められ、さほど動きはありません。

しかし、骨盤の歪みや出産など、この関節周りに負荷がかかると、この付近の神経にも影響を及ぼします。

結果、上半身と下半身の連結が上手くいかず、慢性的な腰痛を引き起こしてしまうこともあります。

以上のような症状は、当院の「カイロプラクティック」の骨盤矯正が有効です。

原因は”身体の歪み”にありますので、カイロプラクティックを受けていただき、歪みを正しい位置に矯正することによって、症状を緩和することが可能です。

病気はよく「早期発見・早期治療」が肝心といいますが、それは、坐骨神経も同じです。

是非、お早めにご相談ください。

◎坐骨神経痛に関連する筋肉

坐骨神経に関連する筋肉はいくつもありますが、重要なのは、腸腰筋(ちょうようきん)大殿筋(だいでんきん)梨状筋(りじょうきん)この3つです。

①腸腰筋

腸腰筋は、腰椎と骨盤を結んでいる筋肉で、大腰筋と腸骨筋の2つに分けられます。

股関節を折り曲げる動作の時に使う筋肉なので、太ももをお腹にあげるような時に使われます。

腸腰筋の間には坐骨神経が通っていることからも関連性が分かりますが、もう1つのはたらきとして、腰椎のS字カーブをうまく作っているのもこの筋肉です。

そのため、腸腰筋がカチコチに固まってしまうと、腰椎のバランスも崩れ、坐骨神経に影響してしまいます。

②大殿筋

大殿筋は、臀筋群の1つで、1番大きく表面にある筋肉です。

股関節を後ろに伸ばしたり、外にひねったりする時に使用する筋肉です。

この大殿筋がカチコチに固まってしまうと、お尻の筋肉である梨状筋やインナーマッスルと呼ばれる深部の筋肉にも負荷がかかり、近くの坐骨神経に影響します。

③梨状筋

梨状筋は臀部の深層にあり、股関節を外にひねったり、開いたりする動作の時に使用する筋肉です。

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この筋肉が硬い人は骨盤が後傾していて、お尻が下がっているような姿勢になっていることが多いです。

腰椎の正しい反りがなくなり、背中は丸まり、猫背のような姿勢になります。

腰痛だけではなく、肩こりや背中の痛み、肩甲骨や首にも影響が出てしまうこともあります。

梨状筋のすぐ近くには坐骨神経が通っているので、坐骨神経に悪影響を与えやすい筋肉ともいえます。

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