肩こりは自律神経の乱れから?
「筋肉が柔らかい=いい状態」と考える方は多いと思います。
今回は、この筋肉の緊張度とストレス、そして「自律神経の乱れ」との関係についてお伝えします。
筋肉の緊張とストレス耐性
実は筋肉というのは、硬すぎても柔らかすぎても問題があります。
結論からお伝えしますと、筋肉とストレスの関係は以下の通りです。
筋肉が硬い=ストレスがかかっている
筋肉が柔らかすぎる=ストレスに負けてしまっている
例えば肩こりや腰痛などは、筋肉が硬くなっている方がほとんどです。
こういう方にはストレスがかかっており、それに抵抗するように筋肉が緊張します。
例えば、長時間パソコン作業を行うと…
・腕を長時間使っているので肩も緊張しやすい
・目を使うので首の筋肉が緊張する(目と首は連動しています)
・長時間同じ姿勢を取っていると血液の流れが悪くなる(血液が運ぶ酸素が不足すると筋肉は緊張します)
・やりたくないという気持ちがある(精神的にストレスになる)
これらのストレスがかかると、抵抗するように筋肉が緊張します。
筋肉が柔らかすぎるのは…
これとは逆に筋肉がフニャフニャに柔らかすぎる場合は、これらのストレスに抵抗できずに、筋肉が「降参」している状態を意味しています。
つまり、ストレスに勝てないため、「もう抵抗しない」と体が判断して、エネルギーの「節約モード」にするのです。
なぜなら、無駄な抵抗をやめることで、無駄なエネルギー消費が防げるからです。
実は、筋肉の緊張にはエネルギーを使っています。
ストレスに抵抗するために筋肉を緊張させていると、それだけで多大なエネルギーを使うことになります。
そのため疲れがどんどん溜まります。
節約モードでエネルギーを貯めようとしている
ストレスに勝てないのにストレスに抵抗を続けていくと、エネルギーはどんどん使われ、最終的には生きるのに必要なエネルギーを使ってしまい、命の危険にさらされます。
過労死などはこのことと関係します。
そのため、命を守るための「節約モード」なのです。
命を守るため人は無意識的に「節約モード」になるのですが、この時に筋肉はフニャフニャになっていく傾向があります。
すると、下記のような症状が出ます。
・手足に力が入らない
・朝起きるのがつらい
・立ちくらみをよく起こす
・下痢が続く
このような症状があり、筋肉が緩みすぎている、その時はすぐにでもストレスから遠ざかる必要があります。
仕事や学校を休んだり、がんばっていることをやめたり、我慢することをやめたりする必要があります。
なぜなら、ストレスがある限りこの節約モードは続き、節約モードが続く限り、体の動きや思考は制限されるからです。
すると、勉強や仕事、楽しい活動といった通常の日常生活も送れなくなるため、社会的な生活が困難になります。
そのため、こんな状態の方はいち早くストレスから逃げる必要があるのです。
また急な気温の変化も自律神経や体の筋肉にストレスを与えます。
ストレスに強くなるには…?
結論からお話しますと、ストレスに強くなるには、交感神経の力を高める必要があります。
「気温差」「ホルモンバランス」というストレスに強くなるのも、「人間関係」というストレスに強くなるのも、交感神経の力が強いことが重要です。
最近、立ちくらみや起立性調節障害、「片頭痛」の患者さんが多いですが、これもストレスに弱いことで起きます。
ストレスとは…?
基本的なことですが、ストレスに強くなるには、「ストレスとは何か」を理解しておく必要があります。
私どもでは、分かりやすくするために、ストレスを以下の4つに分類しています。
精神的ストレス
構造的ストレス
化学的ストレス
温度・湿度・気圧等のストレス
ストレスも色々
前にもご紹介いたしましたので、箇条書きで簡単にお伝えしますね。
1.精神的ストレス
嫌だなと思うこと
気持ちを抑えること
何かを失うこと
2.構造的ストレス
筋肉の緊張
体のゆがみ
不良姿勢
合わない靴やイスなど
3.化学的ストレス
栄養の過不足
薬品
大気汚染
食品添加物など
4.温度・湿度・気圧等のストレス
暑い寒い
不快の湿度
低気圧など
他にもウイルスや菌などの生物的ストレスもありますが、うつや自律神経失調症にあまり関連がないので除外します。
ストレスがなければ快適に過ごせると思うでしょうが、実はストレスはある程度必要になります。
なぜなら、ストレスがあることで交感神経が活性化するからです。
ストレスに弱くなる理由
ストレスに抵抗するには交感神経をはたらかせる必要があります。
一般的に「ストレスに弱い」というのは、この交感神経のはたらきが弱いのです。
そのため、交感神経のはたらきを弱める原因を取り除いてあげると、ストレスに強くなるのです。
交感神経のはたらきを弱める3つのこと
交感神経が活性化する気持ちを抑え込む
筋肉運動をしない、大声を出さない
物事をあいまいなままにしておく
ではそれぞれをご説明いたします。
交感神経が活性化する気持ちを抑え込む
怒ることで交感神経UP
怒りや喜びという気持ちは、交感神経を活性化させます。
そのため怒ったり喜んだりすることを抑え込むと、交感神経がはたらかなくなってしまいます。
「怒ってはダメ」
という価値観をお持ちの方は多いでしょうが、これは時と場合によります。
怒らないといけない時にはきちんと怒らないと、交感神経がはたらかないばかりか、相手が「同じことをしてもいい」と思ってしまいます。
また、喜びも遠慮しないで表現したほうが、交感神経は活性化します。
スポーツ観戦やライブなどでは、喜びを表現しやすいですから、そういったものを利用するのもいいでしょう。
筋肉運動をしない、大声を出さない
筋肉を使ったり大きな声を出したりすれば、交感神経は活性化します。
特に強い運動(息がゼーゼーハーハーするぐらい)は、効果があります。
物事をあいまいなままにしておく
交感神経は「決断する力」を育てます。
優柔不断になるのは、交感神経の力が弱くなっているからです。
そのため、物事をあいまいにしていたものを色々な意味で「決断」していくことも、交感神経を活性化させます。
いかがでしたでしょうか。
リラックスをすればよいという事だけでなく、このように交感神経を活性化させていくと段々とストレスに強くなっていきますので、生活に少しゆとりが出てきます。
自律神経の乱れや、なかなかよくならない身体の不調がある方は、自律神経の乱れが原因かもしれません一度ご相談下さい。
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