秋の不眠
先週から一気に気温が下がり、秋の気配が感じられるようになりましたね。
少しずつ日も短くなり、夜の時間が長くなってきました。
「秋の夜長」を迎えると増えるのが不眠症です。
夏の夜に暑くて寝苦しいのは不眠症とはいいませんが、涼しくなって安眠できるはずの秋の夜長に眠れないのは不眠症と言えます。
なぜ秋に不眠症が増えるのか
不眠症には、いくつかの種類があります。
入眠障害
入眠障害は、ベッドや布団に入ってから眠るまでに時間がかかってしまう症状です。
不眠症(睡眠障害)の中でもっとも多く、寝つきが悪くてイライラしてしまうことも……。
イライラしては余計に眠れないとわかっているからこそ、悩ましい症状です。
中途覚醒
高齢者に多くみられるのが中途覚醒タイプ。睡眠が浅く何度も目が覚めてしまうのです。
夜間頻尿の場合中途覚醒してしまうことが多いです。
早朝覚醒
「年のせいか早く目が覚めてしまって……」と聞いたことはありませんか?
実は中途覚醒と同様、高齢者に多いのが早朝覚醒です。
起きる予定時刻よりも早く自然と目が覚めてしまいます。
うつ病や自律神経失調症を発症している場合も早朝覚醒してしまう場合があります。
熟眠障害
「寝ても寝た気がしない。たくさん寝たのに……」
朝目覚めたときこのような症状を感じたら、熟眠障害かもしれません。
寝たのにもかかわらず眠れた満足感が得られないのです。
これは眠りが浅いため起こると考えられています。
いずれのタイプでも、秋に不眠症の方が増えるのは、日照時間が短くなるのも原因の一つになります。
日照時間が短くなると光の刺激が減り、脳内の神経伝達物質の一つ、セロトニンの量が減少します。
セロトニンは感情を安定させる働きがあり、それが不足すると不眠等の症状から自律神経失調症を発症することが知られています。
うつ病の初期症状は、食欲低下、気分が沈む、そして不眠です。
食欲の秋なのに食欲がない、いつになく物悲しい気分になる、不眠が続くといった症状は、自律神経のバランスが乱れてしまっている可能性があります。
セロトニンを増やす生活
セロトニンを分泌するのはセロトニン神経です。
このセロトニン神経は日光を浴びることと適度な運動を行うことで活性化されます。
ただ、この数日は日が差す時間が短く、日光を浴びることが出来ない日が続いてしまっています。
このような天気の時に、不眠になる方が増えやすい傾向があります。
また、昨年から続くコロナ禍で、在宅ワークになった方や外出が減った方も多くいらっしゃると思います。
このような運動不足の状態でもセロトニン不足になってしまいます。
しかもセロトニンはいつでも分泌されているわけではなく、寝ている間はほとんど作られません。
セロトニンを増やすには朝、起きたときの過ごし方が大切です。
精神的に安定を失っていると感じた場合、朝の過ごし方に問題がないかチェックしてみてください。
まず取り組みたいのは朝食を抜かさないようにすることです。
セロトニン神経は、よく噛むことで活性化されます。
朝食を摂り、できれば30回以上の咀嚼をしてください。
咀嚼もセロトニンを増やす「リズム運動」に値しますので、朝食で多く咀嚼をすることで、朝の時間帯にセロトニンの分泌を増やすようにします。
そして、セロトニンの分泌には日光を浴びることが欠かせません。
これも理想は朝の時間帯です。
朝、目が覚めたらまずカーテンを開けて眼から朝日を浴びましょう。
ウォーキングもリズム運動になりますので、20分ほど歩くのがおすすめです。
ただし、疲れるまで歩いてしまうと逆効果になりますので、息が上がらない程度の速さで、長くても30~40分程度のウォーキングにしましょう。
外出することに抵抗がある方は、ベランダで朝日を浴びるだけでも大丈夫です。
身体を動かす元気がある時は、ラジオ体操やストレッチを朝日が差し込む部屋で行うとさらに効果があります。
体調に合わせて是非取り入れてみてください。
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