女性疾患が不妊の原因となる!?
不妊の原因として急増中の多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)
女性の卵巣に関わる病気です。
◎”多嚢胞性卵巣症候群”どんな病気?
通常の月経周期では、排卵に向けて数十個の卵胞が育ち始めますが、十分に成長して排卵されるのは1個のみです。
他の卵胞は途中で成長が⽌まり、やがて小さくなっていきます。
ところが、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)は卵胞の成⻑が途中で止まり、
たくさんの⼩さな卵胞(嚢胞:のうほう)が卵巣内にとどまってしまう病気です。下記画像参照。
卵胞が育たない理由として、ゴナドトロピン分泌異常や男性ホルモン過多が原因だと考えられています。
あまり聞きなれない病気かもしれませんが、性成熟期(20代〜45歳) の女性の5~8%にみられるといわれています。
◎主な症状は?
卵胞が育たず定期的に排卵が起きないため、⽉経周期に異常(無月経、希発月経(約40~50日の周期でくる月経のこと))があらわれ、不妊の原因にもなります。
その他に、男性ホルモンの影響により毛深くなる、ニキビができやすくなる、肥満、血糖値上昇、高脂血症などの症状があらわれることもあります。
治療せずに長期間放置すると子宮体がんやメタボリックシンドロームなどのリスクが高くなるといわれています。
◎卵巣の病気なのに、どうして子宮がんに関係するの?
女性ホルモンであるエストロゲンが子宮内膜を増殖させるのに対し、プロゲステロンには子宮内膜の増殖を抑える働きがあり、この2つのホルモンが適切に分泌されてバランスが保たれています。
プロゲステロンは排卵後に分泌されるホルモンのため、排卵が起きなければ分泌はされません。
このような状態で、長期間エストロゲンだけが子宮内膜に働きかけ続けると、子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクが高くなるといわれています。
◎診断方法は?
以下の3つの特徴を満たす場合、多嚢胞性卵巣症候群と診断されます。
① 月経周期の異常がみられる
② 超音波検査で卵巣内に発育していない卵胞がたくさんみられる
③ 血液検査で男性ホルモンや黄体化ホルモン(排卵をうながすホルモン)が高値になる
AMH値(アンチミューラリアンホルモン)が4.0~5.0ng/ml以上ある場合
◎治療法は?
その時点で妊娠を希望しているかどうかを考慮して治療が進められます。
- 妊娠を希望する場合
ホルモン療法をベースに排卵をうながし、妊娠を目指します。
排卵しやすくするための手術を行う場合もあります。
- 妊娠を希望しない場合
月経をきちんと起こすために、黄体ホルモンやE・P(エストロゲン・プロゲステロン)配合剤が処方されます。
また、肥満をともなう場合は症状が重くなりがちなため、減量を含めたライフスタイルの改善が必要とされます。
◎多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と鍼灸治療
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、中医学においても研究されており、伝統的な中医学の理論やアプローチに基づいて治療されることがあります。
以下に、中医学の観点から多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を考えるいくつかの要素を挙げます。
▶気・血・水のバランスの乱れ:
中医学では、体の健康は気(エネルギー)、血、水のバランスによって維持されると考えられています。
PCOSの場合、生殖器系や内分泌系で気や血のバランスが乱れ、卵巣に多嚢胞が形成されるとされています。
▶脾と腎の不足:
PCOSの患者さんには、脾と腎の機能が低下していることがよく見られます。
脾は消化器系をサポートし、血液を生産する役割があり、腎は生殖器系や内分泌系を調節します。
これらの臓器の機能が低下すると、PCOSの症状が悪化する可能性があります。
▶湿熱の蓄積:
中医学では、湿熱が蓄積することが体内の不調の原因とされます。
PCOSの患者さんでは、湿熱が蓄積しやすく、これが卵巣の機能やホルモンバランスに影響を与えると考えられています。
◎中医学におけるPCOSの治療
漢方薬や鍼灸などの自然療法を用いて、気血水のバランスを調整し、脾臓と腎臓の機能を補うことが含まれる場合があります。
また、食事療法や適度な運動などのライフスタイルの改善も重要な治療アプローチとなります。
下垂体の異常を治療することでLH(黄体形成ホルモン)が正常に分泌されれば生理周期が安定し、
さらに黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌不全が改善されて、子宮内膜の厚さを維持して着床しやすい状態にすることができるのです。
クロミッドやセキソビッド、HMG-HCG療法で排卵誘発されている方は、薬の効果が上がりやすくなります。
こうなると、治療が二歩三歩前進しますね。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でお困りの方には、ぜひ鍼灸治療をお試しください!
当院でも多嚢胞性卵巣症候群を発症後に不妊治療、妊娠、出産をした実績があります。
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