五臓について説明します!
皆様、こんにちは。浦安院の加藤です。
今回は東洋医学の【五臓】についてお話しさせていただきます。
東洋医学で五臓とは肝・心・脾・肺・腎を指します。
五臓には身体を正常に保つために動いてくれている働きがあります。
今回は5つの中の【肝】についてお話しします。
【肝】の働きについて
「疏泄」について
肝は、体内の気の運動を調整する作用を持っています。つまり、気機を調整する働きです。この生理を“疏泄“といいます。
「臓血」について
次にですが、これは簡単にいうと血を貯蔵したり血液量を調節したりするということです。例えば手首をぎゅっと握って、血流が滞ると、手が痺れて物を握れなくなりますよね。
身体各部は、その運動の必要に応じて、一定量の血液を必要としています。その量を判断して、そこにきちんと血液を分配するのが、肝の蔵血という機能です。肝は血を貯めておくだけでなく、どこにどれくらい送り出すかということまで調整しています。
血液には身体を栄養するという作用がありますが、肝は蔵血している血液によって、栄養を受けています。この栄養をうけることで肝は正常な機能を発揮することになります。
さらに、女性においては月経の発来や周期の調整も、肝の琉泄による働きです。月経周期が安定しないといった場合も鍼灸治療の特徴になります。
◎疏泄が失調すると…
先ほどお話しした、疏泄の働きが悪くなると、感情、つまり気持ちの乱れが生じやすくなってしまいます。
気持ちに関しては、怒・喜・思・憂・恐の5つの感情がそれぞれ肝・心・脾・肺・腎が対応していますので、“怒”と“肝”がセットになっています。
つまり、肝の疏泄作用が悪くなれば、怒りやすくなり、イライラすることが多いです。これは疎泄過多、すなわち肝の疎泄が過多なときに起こる反応です。例えば、気持ちの変動を自分でコントロールすることが出来ない人、イライラしていて突然カッと怒り出してしまう人などは肝の琉泄の調節がうまくいっていません。
一方で、疏泄不足のときには、小さなことでも心配して落ち着かなくなり、心配症になったり抑鬱的になったりします。更に悪化してくると過剰に将来などを不安視して鬱状態になったり自分を追い込んでしまったりなど非常に良くない状況になります。
疏泄失調の場合には、当然血行にも影響が出てしまいます。血の滞りによって起こる病態を、東洋医学では“血瘀“と呼びますが、この病態では経絡の流れが局部的に阻害されてしまうため、その部位に痛みがでることがあります。
血瘀では、血液はドロドロと汚れていきます。血という言葉もありますが、これは血流が悪くなって汚れてしまった血そのもののことです。
鍼灸治療ではこういった症状を問診時に身体の調整をすることができます。
今回は【肝】についてお話ししました。次回は【心】についてお話しします!
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